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「トヨタを自動車を造る会社から、モビリティーカンパニーにモデルチェンジすることを決断した」。トヨタ自動車(以下、トヨタ)社長の豊田章男氏がこう宣言したのは、2018年5月に開いた2018年3月期(2017年度)決算発表の席だ。この鮮烈な言葉と、2020年1月に披露したスマートシティー「ウーブン・シティ」を造る計画から、世間には「トヨタは自動車メーカーをやめるつもりだ」と捉えている人が少なくない。
だが、それは誤解だ。確かに、豊田氏はこう考えている。「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる技術革新によってクルマの概念そのものが変わろうとしている。クルマの概念が変わればトヨタのビジネスモデルも変えていかなければならない」と。だが、同社がクルマづくりを諦めたわけではない。むしろ、「もっといいクルマを造ろう」と豊田氏は社内にハッパをかけている。
「これからのクルマは単なる移動体になると言う人がいるが、そんなことはない。クルマに乗って楽しみたいと思う人は依然多い」と、元トヨタ自動車の技術者で愛知工業大学工学部客員教授の藤村俊夫氏は言う。そうした顧客向けに、走りや移動を楽しむクルマ、いわゆる保有する車両(以下、保有車)の開発にトヨタはこれまで以上に力を入れて取り組まなければならない。
というのは、今後、クルマの需要が減っていく可能性が大きいからだ。
保有車は2015~40年で1000万台も減る可能性
クルマの世界販売台数は2015年時点で8968万台だった。このうち、乗用車(保有車)は74%の6636万台だ。藤村氏は世界販売台数が2040年に最大で1億3000万台まで増える可能性があると予測する。新興国の所得が増えて購買力が高まることが販売台数の増加を支える要因だ。
だが、これは利用車、すなわちカーシェアリングやライドシェアリング用のクルマ「シェアカー」を考慮しなかった場合である。クルマの「保有から利用へ」という流れが今後加速すると、シェアカーの台数は当然増える。足元では新型コロナウイルスの影響で世界が不況に陥っているが、この不況が長引いたり、再度不況に陥ったりすることがあれば、シェアカーの増加に拍車がかかる。
注目すべきは、シェアカーが増えると保有車の需要が大きく減ることだ。藤村氏は「シェアカーが1台増えると保有車が2台減る」と言う。シェアカーは保有車よりも頑丈で、耐久走行距離が2倍ある。すなわち、車齢が2倍長いためだ。
藤村氏によれば、シェアカーは2040年に最大で2000万台まで増える可能性があるという。仮にそうなった場合、保有車は4000万台も減ることになる。すると、2040年の世界販売台数は1億3000万台+2000万台-4000万台=1億1000万台にとどまる計算となる。この場合、同氏が予測する保有車は51%の5620万台である。
これは何を意味するのか。保有車が2015年の6636万台から2040年に5620万台へと、実に「1000万台も減る」可能性があるということだ。
既に縮小している日本市場に焦点を絞ると、国内販売台数は2015年に500万台で、このうち保有車は350万台だった。これが2040年にそれぞれ420万台、230万台まで減る可能性があると藤村氏はみる。シェアカーが増えると、ただでさえ急速にしぼんでいる日本市場では、保有車の需要が120万台も減ってしまう可能性があるということだ。
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June 10, 2020 at 03:00AM
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